「グループホームって高齢者が対象じゃないの?」と思う方も多いのではないでしょうか。実は”障がい者”を対象としたグループホームが増えてきています。障がいを持っている人は、1人では賃貸契約ができなかったり、ハードルがあるものです。
障害者グループホームとは、障害のある人が必要な支援を受けながら、家庭的な雰囲気のなかで共同生活ができる場所です。「入所施設(障害者支援施設)より自由に暮らしたい」「一般住宅での1人暮らしは不安」など、いろいろな理由を持った障害者の人が利用しています。
障がい者グループホームとは
グループホームとは日常生活上の介護や支援を受けながら共同生活ができる住居のことです。
認知症の高齢者を対象にした認知症対応型共同生活介護と、障がい者を対象にした共同生活援助があり、同じグループホームという通称ですが、別のサービスです。
障がい者向けグループホームは、地域のアパート、マンション、戸建て住宅などを共同生活の拠点とし、共同生活を営む住居で相談、入浴、排せつ、または食事の介護などの日常生活上の援助をうけられる施設です。
グループホームを通して期待されることは、孤立の防止、生活上の不安の軽減、共同生活による身体・精神状態の安定などです。自分らしさを大切にしながら、自立をし、生活の質を向上させる目的でもあります。
どんな人が利用できるの?
障がい者グループホームを利用できるのは、知的障がい者 精神障がい者 身体障がい者 難病患者 の方です。※障がい福祉サービス受給者証が必要です。
一般的には、18歳以上から入居可能と定められています。ただ児童福祉法には『児童相談所長は、15歳以上の障がい児について、障がい者支援施設への入所及び障がい福祉サービスの利用が適当であると認めるときは、その旨を当該市町村の長に通知することができる。』と記載されているので、条件によっては15歳以上から入居することは可能です。
障害者グループホームの入居条件には、障害支援区分(必要な支援の度合を総合的に示すもの)はありません。区分1~6まで幅広い人が利用しています。また、体の機能に問題がない精神障害の人でも障害者手帳があれば入居できます。たとえば単身生活だと生活リズムが大きく乱れてしまう、部屋の片づけができないといった人は、障害者グループホームを利用するとよいでしょう。
グループホームの種類は?
グループホームを利用したいけど、どんなものがあるの?という方のために、主なサービス内容や特徴をご紹介します。
共同生活援助のサービス形態は3種類、建物種別が2種類あります。
・介護サービス包括型
日常の生活で、入浴、排泄、食事、相談など、援助が必要な方のためのグループホームです。朝や夕方~夜間、休日も支援員による日常生活の援助や介護といった支援を受けることができます。日中は就労支援施設や生活介護施設ですごされる方が多いため、日中の活動サービスの連携なども行い、利用者さんが安心できるように支援をしています。軽度から重度まで幅広い方が利用する傾向にあります。
・外部サービス利用型
介護サービス包括型と違うところが2点あります。
1つ目は、施設職員だけでなく、外部のホームヘルパーなどが支援することです。
2つ目は、障がい支援区分が比較的軽い方が利用する傾向にあることです。
・日中サービス支援型
日中サービス支援型の大きな特徴は、日中(夜間・休日以外)も利用できるところです。日中活動に行くことが難しい重度の方や高齢の方が利用します。利用者さんの体調などを配慮しながら行うので、支援員などが多く手厚いのが特徴です。重度の方が日中も生き生きと活動できるサービス形態になります。
・共同住居型
多くのグループホームは複数人の入居者が共同生活をしながら自立を目指す、共同生活住居という形態をとっています。また、日中は就労継続支援B型事業所や生活介護施設に通うケースが一般的です。短期入所(ショートステイ)と併設しているケースもあります。
・サテライト型住居
共同生活に慣れ、更なる自立を目指す人が、グループホームの近くにあるアパートやマンションなどで、一人暮らしに近い形の住居形態を取っているグループホームをサテライト型住居と呼び、一人暮らしに近い形で住むことができます。近隣のグループホームから世話人が来ることが可能で、集団生活が苦手な方、一人暮らしをしたいと考えている方が利用していることが多いです。中度や軽度の方が多いのも特徴の1つと言えます。
利用期間は3年と定められており、会社で働きたい人や地域で独立生活するために力をつけたい人が使うサービスです。 ただし、一人暮らしの実現の可能性が見込まれる場合には、市町村審議会との協議のうえで、3年以上の利用もでき、国も柔軟な対応を求めています。
必ず3年で出ていかなければならない、というわけではないのでご安心ください。